大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」
18世紀半ば、江戸は文化が花開く華やかな時代を迎えていました。そんな時代に貧しい少年だった蔦屋重三郎は持ち前の才能と周囲のサポートにより出版王へと上り詰めます。
この記事では大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」に登場する個性豊かな登場人物とキャストを紹介します。
べらぼう:時代背景
18世紀半ば。江戸は人口100万人を超え、平和な時代を迎え世界でも有数の都市へと発展していました。
その中で後の出版王となる蔦屋重三郎は貧しい家庭に生まれ、幼い頃に両親を亡くし養子として育ちます。
養父母との絆の中で成長した蔦重は貸本屋を始めやがて書籍の編集や出版へと事業を広げます。
時は10代将軍・徳川家治の治世。
幕府の老中・田沼意次が進める政策のもと、江戸の商人は自由な雰囲気を満喫。江戸には平賀源内など多くの文化人が集まっていました。蔦重も彼らと交流を深め「黄表紙本」という書籍を出版し大ヒット。33歳で日本橋に店を構え「江戸の出版王」となりました。
蔦重は喜多川歌麿や葛飾北斎など、後に日本を代表する芸術家となる若き才能を数多く発掘。彼らが生み出す作品は江戸文化を大きく発展させたのでした。
ドラマ情報
タイトル:べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜
(べらぼう・つたじゅうえいがのゆめばなし)
英題:UNBOUND
2025年、NHK
原作なし
脚本:森下佳子
音楽:ジョン・グラム
語り:綾瀬はるか
主な登場人物
蔦屋重三郎(つたや じゅうざぶろう)
演: 横浜 流星
主人公。通称「蔦重」
幼い頃に両親を亡くし吉原の茶屋の養子となった蔦屋重三郎。貸本屋からスタートし、画期的な「黄表紙本」で大きな成功を収める。
その才能を見出したのは時の権力者・田沼意次。自由な文化が花開いた江戸で平賀源内ら文化人たちとの交流を深めながら、出版業界に革命を起こしていく。
33歳という若さで、商業の中心地・日本橋に店を構え、江戸の出版界を牛耳る存在へと成長。貧しい少年から“江戸の出版王”へと駆け上がるのでした。
花の井(はなのい)/ 五代目瀬川(ごだいめ せがわ)
演:小芝 風花
蔦重の幼なじみであり、伝説の花魁
吉原の老舗女郎屋・松葉屋を代表する花魁、花の井。幼い頃に親に捨てられ、蔦屋重三郎とともに厳しい吉原で育った彼女は重三郎にとってなくてはならない存在。互いを深く理解し合い、支えあう二人でしたが。
花の井は伝説の花魁の名跡「瀬川」を継ぎ、その美貌と才気で江戸中にその名を轟かせます。しかし華やかな舞台の裏には数々の苦悩と葛藤が。
吉原の人々
駿河屋市右衛門(するがや いちえもん)
演:高橋 克実
吉原を代表する引手茶屋の主。蔦重を育ての親として見守り、その才能を高く評価しています。蔦重の最大の理解者であり時に厳しく時に優しく導く存在。
次郎兵衛(じろうべえ)
演:中村 蒼
駿河屋の跡取り息子。
茶屋「蔦屋」の経営を父から任されています。重三郎の義兄弟。経営は重三郎にまかせて遊んで暮らしています。
唐丸(からまる)
演:渡邉 斗翔
明和の大火のときに重三郎が拾った少年。両親のことは覚えていません。重三郎を手伝い絵師を目指しますが…
留四郎(とめしろう)
演:水沢 林太郎
駿河屋の養子の一人。蔦屋の奉公人。蔦重と共に働くことになります。
松葉屋半左衛門(まつばや はんざえもん)
演:正名 僕蔵
老舗女郎屋「松葉屋」の主。
代々名妓を輩出してきた名家。吉原の顔役として町を仕切る実力者。数々の美女を囲い、中でも花魁の「瀬川」の名は江戸中に轟く。
大文字屋市兵衛(だいもんじや いちべえ)
演:伊藤 淳史
新興女郎屋「大文字屋」の主。愛称は“カボチャ”。
最底辺の河岸見世から仲見世にまで店を拡大させました。経費削減のため女郎にカボチャばかり食べさせ、そのケチぶりから「ドケチの忘八」とまで呼ばれます。
扇屋宇右衛門(おうぎや うえもん)
演:山路 和弘
女郎屋「扇屋」の主。
「墨河」の号を持ち、和歌や俳句、絵画にも精通。女郎たちにも文化を教え込み、花扇や滝川といった名妓を輩出しました。吉原をまとめる松葉屋とともに、華やかな吉原を支える存在。
半次郎(はんじろう)
演:六平直政
蔦屋向かいの蕎麦屋「つるべ蕎麦」の優しい店主。幼馴染の蔦重や次郎兵衛を子供の頃から見守ってきた温かい人物。五十間道で長年愛される蕎麦屋を営み、地域の人々に親しまれています。
ふじ
演:飯島直子
駿河屋の女将。
駿河屋の妻。蔦重をはじめとする子供たちを温かく見守る慈悲深い人物。実の息子・次郎兵衛を溺愛する一方で、義理の息子である蔦重にも深い愛情を注いでいます。
いね
演:水野 美紀
老舗の松葉屋女将。かつて花魁として名を馳せ、現在は松葉屋に見初められ女将となりました。四代目瀬川の同世代。花の井(小芝風花)に「ある秘密」を明かします。
りつ
演:安達 祐実
吉原を代表する女郎屋「大黒屋」の女将。
駿河屋、松葉屋らと吉原を取りまとめ蔦重の後見人となる。のちに芸妓の取次や玉代の計算を行う見番になります。彼女の言動が蔦重に影響を与え『富本本』や『浄瑠璃本』の出版につながることに。
きく
演:かたせ 梨乃
「二文字屋」の女将。
かつて吉原の女郎だったきくは今は場末の川岸見世の店で女将をしています。忘八ばかりの業界で最下層の女郎たちを支えようとする蔦重に心を動かされる。女郎たちの味方であり、物語に奥行きを与える重要な存在だ。
とよしま
演:珠城 りょう
松葉屋の番頭新造。禿や振袖の新造の教育係を務める姉貴分。現在は花の井の身の回りの世話も担当。厳しくも温かい指導で彼女たちを支える存在。
志げ(しげ)
演:山村 紅葉
大文字屋の遣手(女郎の監視役)。
かをり(誰袖)のお目付け役。仕置き棒を片手に、蔦重への想いを抱く誰袖を厳しく監視。
吉原の女郎達
うつせみ
演:小野花梨
吉原で中堅の女郎として生きるうつせみ。座敷持ちとして、若手の女郎を指導しながら日々を送っています。しかしある特別な出会いが彼女の人生に大きな変化をもたらします。
松の井(まつのい)
演:久保田 紗友
最高位の女郎「呼出」。
客の指名を受けると華やかな行列を率いて引手茶屋まで客を迎えに行きます。その光景を「花魁道中」と呼びます。吉原のトップの座に君臨し、花の井の先を行く存在。
志津山(しづやま)
演:東野 絢香
玉屋の「座敷待ち」の女郎。
気が強くで噂好き。蔦屋が作った女郎紹介『一目千本』では「葛の花」に見立てられています。
ちどり
演:中島瑠菜
吉原最下層の「河岸見世」の二本松屋に身を置く女郎。朝顔と出会って彼女の人生が変わりました。女将のきくとともに蔦重の本作りを応援します。
朝顔(あさがお)
演:愛希れいか
元は松葉屋の女郎。幼い蔦重や花の井に絵本を読み聞かせた優しい人物。体を壊し最下層の女郎が集まる川岸見世の二本松屋に身を寄せていますが。1話で死亡。
幕府の人々
田沼意次(たぬま おきつぐ)
演:渡辺謙
幕府老中。
足軽の息子から大名にまで上り詰めた異色の経歴を持つ。米本位から金本位への経済政策転換など大胆な改革を断行、江戸を活気づけた。印旛沼の干拓や蝦夷地開発など、インフラ整備にも力を入れ、新しい日本を築こうとした改革者。
田沼意知(たぬま おきとも)
演:宮沢氷魚
田沼意次の息子。
若くして若年寄になり、父とともに幕政を担う。蝦夷開発など新たな政策にも力を入れ。好奇心旺盛で重三郎とも深く関わります。意次の後継者で将来を期待されていましたが…。
松平武元(つだいら たけちか)
演:石坂 浩二
老中首座。
「西の丸の爺」と呼ばれ、徳川家治から厚く信頼されています。上野国館林藩主も務め「右近将監(うこんのしょうげん)」様と敬称された。吉宗、家重、家治の三代に仕え幕政を支えた人物。
長谷川平蔵宣以(はせがわ へいぞう のぶため)
演:中村隼人
ドラマや小説で「鬼平」として知られる人物。「本所の銕」と呼ばれた風来坊から一転。老中・松平定信に抜擢され「火付盗賊改方」となり凶悪な盗賊を取り締まります。人柄がよく庶民からは「今大岡」と呼ばれ慕われる存在。
江戸の人々
平賀源内(ひらが げんない)
演:安田 顕
発明、鉱山、戯作…その才能は多岐にわたり、時代を超えた発想の持ち主として知られる平賀源内。田沼意次もその才能を認め重用するほどの実力派。しかし凡人の理解できない行動から「山師」と呼ばれることも。
そんな源内に蔦重が協力を求めることになり。
喜多川歌麿(きたがわ うたまろ)
演:染谷 将太
浮世絵師。
鳥山石燕に師事し、蔦屋重三郎との出会いにより才能が開花。寛政の改革を機に蔦重と共に美人画で江戸を席巻。その美しさと斬新な画風で人々を魅了。浮世絵界に革命を起こした天才絵師。
鱗形屋孫兵衛(うろこがたや まごべえ)
演:片岡 愛之助
江戸の大商人。
重三郎に本屋商売の基礎を教え、蔦重を出版の世界へと引き込んだ恩人。しかし蔦重が成長するにつれ激しいライバル関係へと発展。黄表紙『金々先生栄花夢』で知られる江戸を代表する地本問屋の主。
須原屋市兵衛(すわらや いちべえ)
演:里見 浩太朗
書物問屋の店主。
平賀源内や杉田玄白らと手を組み『解体新書』など時代を大きく変えるような書物を多数出版。幕府の弾圧にも屈せず『三国通覧図説』など新しい知識を求める人々に本を届けました。
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