レフカダ・ヘブンとは?モデルの小泉八雲と『ばけばけ』の見所

NHK連続テレビ小説『ばけばけ』で描かれるレフカダ・ヘブンは、明治時代に実在した作家 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン) をモデルにしたキャラクターです。

松江で英語教師として暮らしながら、日本文化や民話、怪談に深い関心を持った八雲の人生は、ドラマのヘブンの知的好奇心や交流の背景となっています。

この記事ではヘブン役の人物像とモデルとなった小泉八雲の生涯や著作、逸話までを詳しく紹介、ドラマ視聴をより楽しむための情報をまとめました。

 

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レフカダ・ヘブンとは?

明治の松江にやって来た外国人

レフカダ・ヘブンは、ギリシャ出身のアイルランド人として描かれる外国人教師です。幼少期に両親から見放され、親戚のもとを転々とした後、アメリカに渡り、居場所を求めて日本に流れ着きます。

日本の生活に溶け込んでいく様子

来日時は新聞記者でしたが、縁あって松江で英語教師として働くことに。当時まだ珍しかった西洋人教師として、ヘブンは日本の文化が色濃く残る松江で英語を教え始めます。不慣れな日本の習慣に戸惑うこともありましたが、同僚の錦織友一のサポートを受けながら、少しずつ日本の生活に馴染んでいきます。

ヒロイン・トキとの出会い

そんなヘブンが、ある日ひょんなことからヒロインの松野トキと出会います。最初は言葉や文化の違いに戸惑う二人。でも、似た境遇にいることを知って、少しずつ心を通わせていきます。

お互い怪談話が好きだったこともあり、それが二人の距離をさらに縮めることに。言葉を交わすたびに温かい気持ちになって、その交流がドラマ全体を優しい空気で包んでくれます。

ドラマの名前の由来

レフカダ・ヘブンとラフカディオ・ハーンはあまり似てないように思うかもしれません。でも実はかなり似ていると言えます。

レフカダの由来?

ラフカディオ・ハーンはギリシャのレフカダ島出身。ミドルネームの「ラフカディオ」は英語で「レフカダの」という意味なのです。ドラマの「レフカダ」はそこからとっているようです。

ヘブンの由来?

当時の日本では「ヘルン」と呼ばれていました。英語の「Hearn」を当時の日本人がローマ字風に「ヘルン」と発音したため。その「ヘルン」の発音に近い「ヘブン」を名前にしたようです。

 

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ヘブン役・トミー・バストウについて

レフカダ・ヘブンを演じるのは、イギリス出身の俳優・トミー・バストウ(Tommy Bastow)です。今回が連続テレビ小説初出演です。

プロフィール

  • 生年月日:1991年8月26日
  • 出身地:イギリス
  • 音楽活動:2007年にロックバンド FranKo を結成し、リードボーカルとして現在も活動中

俳優としてのキャリア

トミー・バストウは、2008年の映画「ジョージアの日記/ゆーうつでキラキラな毎日」でメジャー映画に初出演し、俳優としてのキャリアをスタートしました。その後も着実に活動の幅を広げ、2010年代以降はテレビドラマや国際的な作品にも出演しています。

  • 映画出演:「ネバー・バックダウン/自由への反乱」(2021)
  • ドラマ出演:
    • 「Man in an Orange Shirt」(2017/BBC)
    • 「The Crossing/未来からの漂流者」(2018/ABC)
    • 日独合作ドラマ「ザ・ウィンドウ」(2022/ZDF・フジテレビ)
  • 話題作:2024年エミー賞を受賞した海外ドラマ『SHOGUN 将軍』では、マルティン・アルヴィト司祭役を演じ、国際的にも注目を浴びました。

 

日本語が得意

今回の朝ドラでレフカダ・ヘブンを演じるのは俳優のトミー・バストウです。彼は約10年間にわたって日本語を学んできたので日常会話も得意。今回の役では言葉の壁を気にすることなく自然な演技を見せてくれるはずです。

モデルの小泉八雲は日本語が不自由でしたが、日本語の得意なトミーが演じるヘブンがどんな表現になるのか注目です。

海外から日本の朝ドラへ

これまで海外での活躍が中心だった彼にとって、NHKの朝ドラ出演は新しい挑戦です。外国人俳優が朝ドラのメインキャストを演じるのは珍しいです。そういった意味でも彼の演技に大きな注目が集まっています。

トミー・バストウの温かくて誠実な人柄が異国の地で暮らすヘブンというキャラクターをどう表現するのか、今から楽しみですね。

1767人の応募者の中から選ばれた実力

実は彼は1767人もの応募者の中から選ばれたのだとか。このことからも、彼の演技力と存在感がいかに抜きん出ているかがわかります。

日本の文化を深く理解している彼だからこそ、異国の地・松江で暮らすヘブンをリアルに演じてくれるでしょう。彼の表現が『ばけばけ』の大きな見どころになることは間違いありません。

 

モデルのラフカディオ・ハーン(小泉八雲)

ドラマ『ばけばけ』のレフカダ・ヘブンのモデルとなったのが、明治時代の作家 パトリック・ラフカディオ・ハーン(小泉八雲/こいずみやくも) です。ラフカディオが有名ですが、実はミドルネーム。ファーストネームは「パトリック」。

日本の民話や怪談を収集・翻訳し、明治期の日本文化を海外に紹介したことで知られています。

ラフカディオ・ハーン

ラフカディオ・ハーンのイメージ

幼い頃の過酷な経験

ハーンは1850年、ギリシャのレフカダ島で生まれました。父はイギリス人、母はギリシャ人という家庭に育ちましたが、両親の離婚により、裕福な大叔母に引き取られます。 しかし、この時期は彼にとって決して幸せな時間ではありませんでした。厳しいカトリック教育に反発する一方で、ケルト神話や土着信仰に深く興味を持つようになります。

16歳で左目を失明し、さらに17歳の時には大叔母が破産してしまい、貧しい生活を送ることに。

19歳でアメリカに渡った後もホームレス同然の生活を送っていましたが、印刷屋の主人に拾われ、文筆の基礎を学んでいきます。 こうした壮絶な経験がのちの作品や怪談への関心に大きな影響を与えたのです。

日本との出会い、そして松江へ

1890年、ハーンは新聞記者として来日しますがすぐにその契約を破棄。その後、日本で英語教師として教壇に立ち、翌年には18歳年下の小泉セツと結婚し、子どもを授かります。

松江を皮切りに熊本、神戸、東京と住まいを移しながら、彼は英語教育に情熱を注ぎました。

同時に日本文化の魅力を欧米に伝えるための執筆活動も精力的に行い、教育者としても、また文化の架け橋としても、大きな功績を残した人物です。

著作と怪談への深い愛

ハーンは日本の民話や怪談に心を惹かれ、『怪談』『知られざる日本の面影』といった数々の名作を世に残しました。日本の古典文学にも精通し、『雨月物語』や『今昔物語』を題材にした再話文学も手がけています。

彼の活動は単に作品を生み出すだけでなく、地方の暮らしや名もない人々の営みに光を当て、日本文化を欧米に伝える大切な役割を果たしました。

ドラマ『ばけばけ』でも、主人公ヘブンの行動や交流の背景には、この「文化の架け橋」としてのハーンの姿が色濃く反映されています。

「ヘルンさん言葉」を操る誠実な人物

ハーンはとても柔軟で好奇心旺盛、そして誠実な人柄でした。明治の急速な西洋化の波に乗りながらも、彼は地方の人々やその文化を大切にしました。その姿勢はドラマのヘブンというキャラクターにも反映されています。

ちなみに彼は日本語があまり得意ではなく、「ヘルンさん言葉」と呼ぶ独特な片言の日本語を話していました。この言葉を完璧に理解できたのは妻のセツだけだったそうです。次男の巌は英語が話せない客人が来た時、セツが通訳をしてくれたと回想しています。

このエピソードからもわかるように、ハーンは異文化でのコミュニケーションに苦労しながらも、周囲の人々と信頼関係を築いていったのです。

小泉八雲と小泉セツ

ラフカディオ・ハーンと小泉セツ

Rihei Tomishige (1837-1922), Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で

 

小泉八雲の代表作紹介

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は、日本の文化や怪談の魅力を世界に伝えるため、たくさんの本を書きました。ここでは彼の代表的な作品をいくつか紹介します。意外と知られていませんが。彼の著作はすべて英語です。現在私たちが知っている内容は英語で出版された後、日本語訳されたものです。

『知られざる日本の面影』(1894年)

彼が日本に来てから初めて書いたエッセイ集です。明治時代の日本の暮らしや習慣、地方の文化を詳しく記録しています。怪談だけでなく、当時の庶民の気持ちや街並みまで細かく描かれており、西洋の人々に日本文化の魅力を伝えるために書かれました。

『仏の国の落穂』(1896年)

旅行記や日本各地に伝わる伝承を集めた作品です。「生神」という話は、日本語に翻訳されて『稲むらの火』としてよく知られています。

『怪談』(1904年)

小泉八雲の作品の中で最も有名かもしれません。「耳なし芳一」や「雪女」「ろくろ首」「むじな」など、日本各地に伝わるお話を妻のセツと共に再話しました。日本の怪談が西洋の人々にもわかるように、文学作品として美しく仕上げられています。

古典文学への愛

八雲は日本の古典文学も深く愛していました。『雨月物語』や『今昔物語』などを題材に、独自の解釈や表現を加えて海外に紹介しています。単なる翻訳ではなく、彼の感性が加わることで、外国人にも日本の文化が伝わりやすくなりました。

 

ドラマの注目ポイント:セツとヘブン

1. 境遇の共通点に注目

ドラマではトキもヘブンも環境や文化の違いに戸惑いながら新しい生活に適応していく点が共通とされています。

ドラマを見るときは、二人が互いの孤独や挑戦に共感し、絆を深める過程に注目すると面白いかもしれませんね。

2. ヘルンさん言葉の描写

史実では小泉八雲は片言の日本語「ヘルンさん言葉」を話し、セツだけが理解できました。

ドラマでもヘブンの日本語表現やトキのサポートを通じて、コミカルで心温まるやり取りが見られるかもしれませんね。この描写は、異文化体験と二人の信頼関係を強調する重要なシーンになるかもしれません。

3. 結婚までのスピード感

史実ではセツはハーンの家に住むようになってわずか半年で結婚しました。ドラマのヘブンとトキも短期間で結婚するのでしょうか?それとも同居する前に交流する期間があるのでしょうか?

二人の関係性の変化や信頼が築かれる過程を追いながら、自然な流れでの結婚シーンを楽しむといいかもしれませんね。

 

まとめ

朝ドラ『ばけばけ』に登場するレフカダ・ヘブンは小泉八雲がモデルです。異国から来た彼が松江で英語教師をしながら、日本の民話や怪談に惹かれていく姿が描かれているようです。

とくに注目してほしいのが、ヒロインのトキとの交流。史実では「ヘルンさん言葉」と呼ばれる独特の言葉をはなしていましたが。ドラマではどのように表現されるのでしょうか?

八雲という人物が持っていた知的好奇心。そして、明治時代の日本文化や人々の暮らしが、このドラマを通して生き生きと伝わってきます。八雲を知らなかった人も、彼の世界観をきっと身近に感じられるはず。どんな物語が展開されるのか、放送が待ち遠しいですね。

 

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