2025年度後期の連続テレビ小説「ばけばけ」は、明治時代の島根県松江市が舞台にしたドラマ。
怪談を愛する主人公の松野トキと、異国の地で孤独を抱える外国人教師ヘブンが、言葉や文化の壁を越えて夫婦となる姿を描きます。
このドラマは実在の小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)とその妻・小泉セツをモデルにしています。違う文化や価値観を持つ二人が、怪談という共通の趣味を通じて心を通わせ温かくユーモラスに夫婦の絆を育んでいく姿が描かれるよていです。
今回は、そんな「ばけばけ」に登場する個性豊かな登場人物たちとモデルになった人々をご紹介しましょう。
「ばけばけ」登場人物モデル一覧
ドラマの登場人物とモデルになった実在の人物は以下の通り。
ドラマ「ばけばけ」 | 実在のモデル |
松野トキ | 小泉セツ |
レフカダ・ヘブン | ラフカディオ・ハーン |
松野司之介 | 稲垣金十郎 |
松野フミ | 稲垣トミ |
松野勘右衛門 | 稲垣万右衛門 |
雨清水傳 | 小泉湊 |
雨清水タエ | 小泉チエ |
錦織友一 | 西田千太郎 |
イライザ・ベルズランド | エリザベス・ビスランド |
ドラマの人物はもちろん脚色されていますけれど、モデルになった人物の名前の雰囲気が残っていますね。
次にそれぞれのドラマの登場人物をキャスト・劇中での設定とともに紹介します。
「ばけばけ」の主役とモデル
松野トキ
怪談と家族を愛する、強く優しいヒロイン
演:髙石あかり(少女期:福地美晴)
没落した士族の家に生まれたトキは怪談や昔話が好きな少し変わった女の子です。周りからは変わり者だと見られがちですが、家族への愛情は誰にも負けません。
貧しい生活から抜け出すため松江にやってきた外国人英語教師・ヘブンの家で住み込みの女中として働き始めます。周囲の偏見に負けず彼と心を通わせ、やがてお互いにとってかけがえのない存在になっていきます。
モデル:小泉セツ(節子)
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レフカダ・ヘブン
遠い異国で運命の糸をたぐり寄せた男
演:トミー・バストウ
ヘブンは、ギリシャで生まれ、アイルランドで育ちました。新聞記者として来日しますが不思議な縁で島根の松江で英語教師として働くことになります。
実は両親に早くに見放され、心に深い孤独を抱えて生きてきました。そんな彼が自分と同じように怪談話が好きなトキと出会い、互いの生い立ちや心境が似ていることに気づきます。
言葉は通じなくても心と心で惹かれ合い、やがて二人は深い絆で結ばれていきます。
モデル:ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)
松野家の人々

ばけばけ 松野家系図
松野司之介
家族思いの不器用な父
演:岡部たかし
松野司之介は元は位の高い武士でしたが、明治維新後の時代の流れに乗れず事業に失敗し、貧しい生活を送っています。
商売のことがわからず不器用。家族のために慣れない仕事に挑戦するも失敗。それでも愛する家族を必死に守ろうと奮闘する姿はどこか憎めません。かっこいい父親と思われたいと願っていますが彼の努力は報われるのでしょうか。
モデル:稲垣金十郎(小泉セツの養父)
松野フミ
家族を支える優しい母
演:池脇千鶴
トキの母。フミは古事記に登場する出雲の神々の物語や、不思議な怪談にとても詳しい女性です。幼いトキにたくさんの物語を聞かせ、豊かな想像力を育みました。
貧しい家計を支えるため、いつも内職に励んでいるしっかり者でもあります。夫の司之介や父の勘右衛門、そして娘のトキ、愛する家族を温かく見守る存在です。
モデル:稲垣トミ(小泉セツの養母)
松野勘右衛門
武士の誇りを忘れない最後のサムライ
演:小日向文世
トキの祖父である勘右衛門は、武士の時代が終わった明治の世になっても、決して髷(まげ)を切ろうとしません。毎日欠かさず剣の稽古に励み、武士としての誇りを貫く姿は「最後の侍」と呼ぶにふさわしいかもしれません。
一見すると厳格で近寄りがたい雰囲気がありますが、愛する孫のトキにはめっぽう甘いです。
モデル:稲垣万右衛門(稲垣金十郎の父)
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雨清水家の人々
雨清水 傳
人格者として慕われる
演:堤真一
雨清水傳はトキの親戚にあたります。かつて松江藩のエリート武士でしたが、明治維新後の激動の時代に家を守るため商人へと転身しました。
没落した士族たちを分け隔てなく助け、その人柄から多くの人々に慕われています。トキにとっても憧れの存在です。
雨清水タエ
品格と葛藤を抱える武士の妻
演:北側景子
雨清水タエは傳の妻であり、トキの親戚。名家で育ったお姫様で、武家の娘として常に品格を保つことを大切にしています。トキに対しても厳しく教養を身につけるよう教えます。
凛とした気品を持っていますが時代の変化に戸惑い、心の中では葛藤を抱えています。
雨清水三之丞
居場所を探し求める三男
演:板垣李光人
雨清水三之丞は傳とタエの三男です。長男と違い家督を継ぐという役目がないため、家の中に自分の居場所を見つけられずにいます。
そのため暇があればトキたちの仕事場に入り浸り、そこで時間を過ごしています。口数が少なく内向的な性格ですが、心の中には様々な苦悩を抱えている人物です。
松江で出会う人々
山根銀二郎
演:寛一郎
トキのお見合い相手。貧しい家の出身ですが、武士としての誇りを持ち続ける真面目な青年です。彼の趣味は浄瑠璃や怪談。トキとは共通の趣味を通じて心を通わせていきます。誠実でとても熱意のある人物です。
野津サワ
演:円井わん
トキの幼なじみで、かけがえのない親友です。元は下級武士の娘で安定した暮らしを夢見て教師になることを目指しています。周りから変わり者と思われがちなトキのことを、ありのまま受け入れそばで支え続けます。
なみ
演:さとうほなみ
天国遊郭で働く遊女です。貧しい家族を養うため自らこの道を選びました。明るくたくましい性格の持ち主で、近くに引っ越してきたトキのことを何かと気にかけてくれます。
錦織友一
演:吉沢亮
松江一の秀才と名高い英語教師。実在の教育者、西田千太郎をモデルとしています。外国人教師として松江にやってきたヘブンを公私にわたりサポートし、やがてヘブンとトキの言語や心をつなぐ重要な役割を担います。
モデル:西田千太郎
江藤
演:佐野史郎
島根県知事。島根を日本を代表する県にしようと情熱を燃やし、そのために英語教育の重要性を感じてヘブンを松江に招きました。
江藤リヨ
演:北香那
江藤知事の娘。才色兼備で英語も堪能な、まさに明治時代の最先端をいくお嬢様です。松江を訪れたヘブンに強く惹かれていきます。
中村守道
演:酒井大成
トキのお見合い相手。元は武家でしたが、現在は商売を営む誠実で素直な好青年です。
その他の登場人物
チヨ
演:倉沢杏菜
トキと同じ工場で働く女工仲間です。真面目でしっかり者。裏表のない正直な性格でトキにとって良き友人となります。
せん
演:安達木乃
チヨと同じくトキの女工仲間。少し抜けたところがありますが、その愛らしい人柄でいつも場を和ませてくれるムードメーカー的存在です。
森山善太郎
演:岩谷健司
松野家から借金を取り立てに来る、強面(こわもて)の借金取りです。見た目は少し怖そうですが、実は情に厚く根はとても優しい人物です。
森山銭太郎
演:前原瑞樹
善太郎の息子で父親と共に借金取りをしています。父親と同じく人の良い性格で非情になりきれない二代目の借金取りです。親子揃ってどこか憎めないキャラクターです。
イライザ・ベルズランド
演:シャーロット・ケイト・フォックス
アメリカの新聞記者でヘブンの元同僚です。とても聡明で行動力のある女性で、ヘブンに日本へ行くことを勧めました。彼女の存在がヘブンの人生に大きな影響を与えます。
蛇と蛙
蛇の声(演:渡辺江里子)
蛙の声(演:木村美穂)
トキとヘブンの家の庭に住む、蛇と蛙。二人の行動をユーモアたっぷりに語り合いながら、トキとヘブンの関係を温かく見守ります。物語にコミカルな彩りを添える、ユニークな存在です。
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