山根銀二郎 モデル前田為二の史実とドラマの違いを紹介【ばけばけ】

山根銀二郎はNHK朝ドラ『ばけばけ』でトキの縁談相手として出てきますね。優しくて誠実な彼ですが、そのモデルは実在した前田為二(まえだためじ)という人物です。

史実では前田為二と後の小泉八雲の妻となる小泉セツ(ドラマでのトキ)との結婚生活は1年もありませんでした。ではこの短い結婚生活を送った前田為二の人生と、ドラマの銀二郎の物語にはどんな共通点や違いがあるのでしょうか。

 

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山根銀二郎の人物紹介

NHK朝ドラ『ばけばけ』の山根銀二郎は、ヒロインの松野トキとお見合いをする青年です。

鳥取の足軽の次男として生まれ、貧しくても誠実で優しい心を持っています。浄瑠璃や怪談が好きという、ちょっと文化的な趣味があるのも魅力ですね。

トキを愛し、家を支えた銀二郎の葛藤

銀二郎はトキと出会い、次第に惹かれ合います。やがて松野家に婿養子に入り、トキと結婚。彼は妻を守るため、必死に働いて一家の生活を支えます。

でも、武士の生き方にこだわる松野家の人たちの考え方には、どうしても納得がいきません。トキのことは心から愛していても、その家族の価値観には馴染めず、ずっと悩みを抱え続けます。

愛と時代の壁に引き裂かれる二人

物語が進む中で、銀二郎はトキを誘って「一緒に東京で暮らそう」と提案しますが、トキはそれを断ってしまいます。銀二郎は、一人で東京に出て働き始めます。

その後、生活に困った松野家は、トキに銀二郎を連れ戻しに行かせます。トキは必死に頼みますが、銀二郎の決意は固いものでした。

「もう、ここへは戻れない」

この言葉は、二人の愛が時代や価値観の壁に阻まれてしまった、切ない結末を象徴しています。

複雑な内面を持つ誠実な男

山根銀二郎という人物は、誠実さ、優しさに加え、武士のプライドと家族との葛藤という、複雑な心を持つキャラクターです。

彼はトキとの関係を通じて、明治初期の社会が変わりゆく様子や、古い価値観と新しい考え方の衝突を見せてくれる、物語に欠かせない重要な存在なんですね。

 

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山根銀二郎のモデル:前田為二について

『ばけばけ』の山根銀二郎のモデルは、実在の人物・前田為二(まえだためじ)です。彼の人生はドラマの銀二郎とは違って厳しい現実があったのです。

前田為二のイメージ画像

前田為二のイメージ画像

前田為二の結婚と苦しい生活

為二は鳥取の士族の次男として生まれ松江の士族の家・稲垣家に婿養子として入りました。そこで後の小泉八雲の妻となる小泉セツ(ドラマのトキのモデル)と結婚します。

しかし稲垣家はすでに没落しており財産はゼロ。多額の借金まで抱えていました。セツの父・小泉湊が亡くなると頼る人もいなくなり、生活はますます苦しくなっていきます。

貧困に耐えかねた出奔

為二は、この貧しい暮らしに耐えられませんでした。結婚から1年も経たないうちに家を捨てて出て行ってしまいます。

セツは大阪にいる為二を訪ね「戻ってきてほしい」と懇願します。しかし、為二は冷たくきっぱりと断ってしまいました。セツは、このショックで自殺を考えるほど絶望したそうです。

その後、二人は1890年に正式に離婚。セツは稲垣姓から小泉姓に戻しました。

史実とドラマの違い

ドラマの山根銀二郎は誠実で愛情深い青年として描かれています。それは、彼の誠実な一面を際立たせた上で、時代に翻弄される姿を描くためでしょう。

一方、史実の前田為二は貧困や生活の苦しさに負けて、家庭を維持することができませんでした。

朝ドラではこの悲しい史実をベースにしていますが、ドラマとして成り立たせるために銀二郎の人物像が人間味豊かに脚色されているのがわかりますね。

 

山根銀二郎の見どころ

1. トキを愛する青年としての姿

ドラマでは、山根銀二郎は優しく誠実で働き者の青年として描かれます。ヒロイン・松野トキを心から愛する彼が、なぜ別れなければならなかったのか、その心の葛藤や別れの経緯がどのように表現されるのかは大きな見どころです。

 

2. 二人の再会の可能性

史実ではモデルとなった前田為二と小泉セツは離縁後、二度と復縁することはありませんでした。

しかしドラマでは銀二郎がトキを愛する設定になっているので簡単には諦めないはず。二人が再び出会う展開が描かれるのか、視聴者として注目したいポイントです。

 

3. 武士としての誇りと価値観の葛藤

銀二郎は厳格な父に育てられ、武士としての誇りを知る人物です。でも松野家の旧来の価値観に縛られた振る舞いに憤りを感じます。

新しい時代にどう適応し価値観を切り替えていったのか、彼の成長や判断の過程がどのように描かれるのかも見どころの一つです。

 

山根銀二郎と前田為二の違い:史実との比較と令和朝ドラの脚色理由

山根銀二郎はトキを心から愛する誠実で優しい青年として描かれています。でも彼のモデルになった前田為二の史実は少し違いますよね。

為二はあまりの貧しさに耐えかねて家を飛び出し、妻のセツ(トキのモデル)の「戻ってきてほしい」という願いを冷たく拒否してしまいました。史実では、とてもシビアで厳しい夫だったと言えます。

なぜドラマは人物像を変えたのか?

ドラマが銀二郎の性格を優しく誠実な人物に変えたのには「令和の朝ドラ」の制作傾向が大きく関係していると思います。

昭和と令和で変わった視聴者の好み

1. 昭和の朝ドラは「耐える美学」

昭和の朝ドラはヒロインが過酷な苦労を背負い、それに耐え抜く姿を描くのが主流でした。

視聴者は「苦労の多い展開」を感動のテーマとして受け入れていたので、史実通りの冷たい夫でもドラマとして成立していた可能性が高いです。

2. 令和の朝ドラは「共感と前向きさ」

でも今は視聴者層や価値観が変わり、朝ドラでは過酷で暗すぎる話は敬遠されがちです。

家族みんなで見ることを意識して作られるため極端に悲惨な描写よりも、登場人物の人間味、成長、誠実さが描かれる方が視聴者に受け入れられやすいんですね。

銀二郎の脚色に込められた狙い

こうしたこともあって山根銀二郎は史実の前田為二のシビアな部分を和らげ、愛と優しさを持つ青年として描かれているのだと思います。

この脚色には、二つの大きな狙いがあります。

  • 恋愛ドラマとしての純粋な共感
    銀二郎が誠実だからこそ、トキとの間に生まれる切ない恋心や別れの悲劇が際立ちます。
  • テーマの明確化
    銀二郎を優しい人物にすることで、二人の別れが「個人の問題」ではなく、「時代の変化」や「古い価値観との衝突」といった大きなテーマによるものだと描けるのです。

銀二郎の人物像を変えたのは史実をモデルにしつつ、現代の視聴者が感情移入しやすく、物語のテーマがしっかり伝わるように工夫されているからだと言えるのではないでしょうか。

 

山根銀二郎を演じるのは寛一郎さん

NHK朝ドラ『ばけばけ』で山根銀二郎役を演じるのは、若手俳優の寛一郎(かんいちろう)です。

 

1996年8月16日生まれ、東京都出身。父は俳優の佐藤浩市、祖父は名優・三國連太郎という俳優一家に生まれました。幼少期から映画の現場に触れて育ち、18歳のとき俳優を志し、2017年に俳優デビューを果たしています。

寛一郎にとって『ばけばけ』は朝ドラ初出演。これまで大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(2022年、公暁役)など時代劇に出演経験がありますが、明治初期を舞台にした本作での役どころは新鮮な挑戦となりました。

山根銀二郎はヒロイン・松野トキのお見合い相手です。でもトキに本当に恋をして共に東京で暮らそうと考える誠実で優しい青年。

しかし武士としての価値観にとらわれる松野家の人々に反発し葛藤を抱える人物です。寛一郎はこの複雑な人物をどのように演じるのでしょうか?

コメントでも寛一郎さんは「時代の変化と旧来の価値観の対立の中で生きる登場人物を通して、ドラマの空気を感じながら演じるのが楽しい」と語っており、役への熱意と作品への思い入れが伝わってきます。

どのような演技を見せてくれるのか楽しみです。

 

まとめ

山根銀二郎はお見合い相手のトキに恋しますが自分の気持ちと世間の常識の間で悩む青年です。

明治時代の初め。古い考え方と新しい価値観がぶつかり合う中で、彼はとても大切な役を担っています。

銀二郎のモデルになった前田為二とセツは歴史上では悲しい結末を迎えます。でもドラマの銀二郎は誠実で愛情深い人物として描かれているようです。

演じるのは寛一郎さん。初めての朝ドラ出演ということもあり、彼の演技に注目が集まっています。見逃せないキャラクターの一人ですね。

 

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