直(なお)は大河ドラマ『豊臣兄弟!』に登場。ドラマでは主人公・小一郎(豊臣秀長)の初恋の人とされます。
直を演じるキャスト、さらに史実に存在したのかどうかまで、物語の流れとあわせて分かりやすく紹介します。
この記事で分かること
- 直(なお)のドラマでの設定と秀長(小一郎)との関係性
- 直を演じる白石聖の起用経緯(永野芽郁の降板後の代役)
- 直が史実に実在しないとされる理由。慈雲院との関係の整理
- ドラマでの描かれ方。駆け落ち未遂〜寧々の侍女〜墨俣一夜城まで
直(なお)とは?ドラマでの立ち位置とキャスト
直のプロフィール
大河ドラマ『豊臣兄弟!』での直(なお)は、次のような人物です。
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尾張・中村の土豪(=村の有力者)・坂井喜左衛門の娘。
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木下小一郎(のちの豊臣秀長)と同い年の幼なじみ。
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性格は「男勝り」で思ったことをはっきり言います。
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小一郎とはよく言い合いになりますが、内心では互いに想い合っています。
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小一郎は百姓の子なので、身分は直の方が上です。
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父の坂井喜左衛門はある事情から兄の藤吉郎(のちの秀吉)を嫌っています。
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そのため小一郎が娘の直と親しくすることをよく思っていません。
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直と豊臣兄弟の交流を妨げようとします。
「NHKドラマガイド」によると直は
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父の意向に逆らえない。
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それでも「自分なりの幸せ」を探そうとする。
という人物として描かれるようです。
直を演じるキャスト:白石聖
直を演じるのは、俳優の白石聖(しらいし せい)さんです。
当初は永野芽郁さんの出演が予定されていましたが2025年5月に降板が発表され、その代役として白石聖さんが起用された経緯があります。
直は実在した人物?
直(なお)の記録はない
歴史の資料では「直」という女性は確認できません。豊臣秀長(木下小一郎/長秀)についての史料は豊臣政権で出世してからの事績が中心で、幼少期や若い頃の人間関係はほとんど記録が残っていません。
秀長の妻や家族についても正室の院号(慈雲院など)は伝わっていますが、「直」という名の女性は出てきません。
「木下小一郎の幼なじみで直という人物はドラマのために創作されたものです。
百姓の子と土豪の娘という関係は有り?
ドラマでは
- 小一郎は百姓の息子。
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直は土豪・坂井喜左衛門の娘。
という設定になっています。村の有力者の娘と近所の百姓の子では身分的には釣り合いませんが、同じ村で暮らしているので顔見知りになることはあったでしょう。
それで恋愛感情が生まれるというのはドラマの設定らしいですね。
直のモデル候補と秀長の正室・慈雲院
史実の豊臣秀長と正室・慈雲院
史実の豊臣秀長には、慈雲院(じうんいん)、あるいは智雲院という正室がいたことが分かっています。その院号は
ただし、この女性についても実際の名前や両親が誰かも分かっていません。大和(奈良)の国人領主の娘や、豊臣家の家臣筋の娘だった可能性がありますが。決定的な根拠はなく素性は分かっていません。
ということは直は慈雲院をモデルにしたのではないかと思うかもしれませんが。そうではなさそうです。
直が秀長の正室・慈雲院でない理由
『豊臣兄弟!』では、秀長の正室として慶(ちか)が登場します。
慶は「美濃三人衆」の一人、安藤守就の娘という設定です。安藤守就は斎藤龍興に仕えた重臣。その娘の慶は結婚歴があり、彼の夫は織田軍との戦いで命を失いました。小一郎とは再婚になります。
慶という名前は高野山奥之院の墓碑などに残る法号「慈雲院芳室紹慶」の「慶」から取ったものと思われます。なので慶が慈雲院になるのはほぼ間違いないでしょう。
というわけで、直が若い頃の慈雲院と考えるのはかなり難しくなります。
直の「豊臣兄弟!」での描かれ方(ネタバレあり)
ドラマ『豊臣兄弟!』に登場する直(なお)はどのような人物でしょうか。
小一郎との関係
直は尾張・中村の土豪(村の有力者)・坂井喜左衛門の娘として生まれます。
同じ村の百姓の子である木下小一郎(のちの秀長)や、その兄の藤吉郎(のちの秀吉)と、幼なじみとして育ちます。
直と小一郎は同い年で、身分は直のほうが上。直は男勝りで、思ったことをはっきり言う性格です。
父の存在
小一郎と直はしょっちゅう言い合いになりますが、内心では互いを想い合っているように描かれます。一方で、父・喜左衛門はある事情から藤吉郎を強く憎んでおり、小一郎が直と親しくすることをよく思っていません。そして喜左衛門は直を別の男と結婚させようとします。
駆け落ち未遂と村の襲撃
直は結婚を拒み小一郎と駆け落ちを計画します。ただ、小一郎が迷ってしまい駆け落ちは断念します。その直後、野盗が村を襲撃。世の中の理不尽を知った小一郎は、兄・藤吉郎に従って家を出る決意をします。直もまた、小一郎に誘われて村を出て清須へ向かいます。
清須で直は寧々の侍女になる
清須では直は藤吉郎の紹介で浅野長勝の養女・寧々の侍女として仕えることになります。小一郎と直は互いを想い合い、家族のように支え合いながら暮らします。
やがて直の心身が限界に近づく
その後、小一郎はたびたび戦に出陣します。直はそのたびに無事を案じ続けました。藤吉郎が墨俣に一夜城を築く頃、ついに直は病に倒れます。
病床の直に小一郎は「どこにも行かんといてくれ。お前が、わしの帰るとこなんじゃ」と語りかけます。この時点では小一郎は「いずれ夫婦になる」と信じているようです。
姉川の戦い後に小一郎が他の女性と結婚
小一郎は姉川の戦いのあと、信長の命令で美濃の武将・安藤守就の娘(慶)と結婚する予定です。主君の命令での政略結婚ですが、小一郎は縁談を受け入れています。藤吉郎も弟の結婚を喜んでいるようで。直の存在が結婚の生涯になる様子はありません。
直はどうなる?
墨俣一夜城の頃までは、直は小一郎にとって感情面の「帰る場所」として描かれます。しかし姉川の戦いの頃には、その位置が慶へ移っているように見えます。
そのためこの時点で直はどこかで亡くなった、あるいは小一郎と別れるのではないでしょうか?
直と小一郎の関係がどのようになるのかは、ドラマを見るまではわかりません。
FAQ:直(なお)はどうなった?実在した?モデルは誰?
Q1:直は実在した人物ですか?
「直」という名前の女性は史実には確認されていません。豊臣秀長の正室や側室についても、名が伝わってません。「直」はドラマオリジナルの創作キャラクターと思われます。
Q3:慈雲院は直と同一人物ですか?
秀長の正室は慈雲院と呼ばれる女性。でもドラマでは慶が秀長の正室になることが決まっています。直は慈雲院とは別人の可能性が高いです。
Q4:直のモデルは誰ですか?
ドラマでは「坂井喜左衛門の娘」という設定。坂井喜左衛門は史料にも名前が登場する人物ですが、史実の坂井喜左衛門に娘がいて秀長と親しかったという記録はありません。直接のモデルはいない架空の人物のようです。
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