あんぱん:八木上等兵のモデルは殴らない軍人と有名企業の創業者?

あんぱん・八木上等兵のモデル

NHK連続テレビ小説「あんぱん」で、主人公・柳井嵩の軍隊生活に大きな影響を与える人物が八木上等兵です。

妻夫木聡さんが演じるこのミステリアスな上等兵は、一体誰がモデルになっているのでしょうか?

今回は、ドラマでの描かれ方から、やなせたかしの人生における実在のモデル像まで、深く掘り下げて考察していきます!

 


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八木上等兵ってどんな人? ドラマでの描かれ方を見てみよう!

「あんぱん」に登場する八木上等兵は主人公・柳井嵩が軍隊に入ってから出会います。嵩の軍隊生活ではなくてはならない重要な人物です。

嵩を陰で支える在

嵩が軍隊に入り、小倉にいどうしたばかりのころ。嵩は八木信之介という上等兵に会いました。八木は嵩に「お前、何者だ?」と厳しい言葉を投げかける冷たい印象の人物でした。もしかすると恐い軍人?と思った人もいるかも知れません。

でもすぐに彼の別の一面が明らかになっていきます。軍隊生活になじめず理不尽な暴力を受ける嵩に別の雑用をやらせました。結果的に嵩は暴力から逃れることができました。

例えば、嵩が上官から目をつけられ陰湿な嫌がらせを受けていた場面では八木がさりげなく助け舟を出し、危険から遠ざける姿が描かれています。

また、妻夫木聡さん自身もインタビューで八木を「人類の希望として残したい人間」と語っています。その平和への深い願いがキャラクターに込められていることが伺えます。

 

謎多き言動と背景、その魅力とは?

八木上等兵は上等兵という立場ですが、兵だけでなく上位の職である下士官クラスからも一目置かれています。彼は大学卒で本来なら士官になってもおかしくない人物でした。

でもあえて昇進試験を受けません。軍隊の階級に執着しない「変わり者」として描かれています。彼は軍隊の論理とは違う独自の哲学と価値観を持っているのです。

嵩が軍隊の矛盾に疑問を抱く様子を察し「世の中は常に矛盾だらけだ。どう向き合うかは君次第だ」と諭す言葉は彼の生き方をよく表しています。

多くを語らないミステリアスな雰囲気なのでいったい「八木は何者なのだろう?」と強く引きつけられる魅力がありますよね。

妻夫木聡さんは八木を「物事の本質を静かに見極められる目を持っている人」と捉え、その繊細さとストイックさを見事に演じています。

 


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気になる八木上等兵のモデルは誰なのか?

さて、この魅力的な八木上等兵には、実在のモデルがいるのでしょうか?いくつかの説を探ってみましょう!

やなせたかしが出会った軍人がモデル?

暴力から救った鬼屋敷

最も有力な手がかりは、やなせたかし自身の自伝『あんぱんまんの遺言』に登場する新屋敷上等兵です。彼は、やなせたかしが兵役時代に所属していた小倉連隊で出会った上官とされています。

この人物は「鬼屋敷と呼ばれて恐れられていたが、なかなかの快男子」だったといいます。やなせたかしはこの、新屋敷上等兵の「戦友」にされて靴をみがいたり洗濯をさせられていました。そのおかげでやなせたかしは「リンチの嵐」からいくらか免れることができたというのです。

ドラマで八木が雑用を押し付けつつも嵩を救う場面はこの自伝の記述が元になっていると考えられますね。

決して殴らない軍人

また『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』(梯久美子著/文藝春秋)には、「上官や古兵もいろいろで、殴らない人は決して殴らない。どんな環境にあっても、自分を保つことのできる人がいることにも、嵩は気づいていった」という記述があります。

八木は、この過酷な状況下でも「自分を保つことのできる人」として描かれているのかもしれません。

サンリオ創業者・辻信太郎氏もモデルの一人?

もう一つ重要な人物がいます。それはサンリオの創業者である辻信太郎(つじしんたろう)氏です。

辻氏は詩や文学にも造詣が深かったことで知られています。嵩がサンリオのしごとを引き受けた縁もあり、嵩に詩集を出版しないかと声をかけてくれました。

彼の文化・芸術への深い理解は、八木が嵩の才能を見抜く洞察力と重なる部分がありますね。

ドラマの設定では「戦後に嵩とのぶの人生に大きな影響を与える人物」とされています。ということは戦争の後、嵩の仕事に影響を与える人だということです。

それに八木上等兵の名前は「之介」です。「辻太郎」と名前が似ています。

八木信之介という名前は「新屋敷上等兵」と、戦後のやなせたかしに大きな影響を与えた「辻信太郎」氏この二人の要素が融合して誕生したキャラクターの可能性が高いですね。

つまり八木は特定の誰か一人ではなく、やなせたかしの人生で重要な役割を果たした複数の人物の特性が凝縮されたキャラクターなのかもしれません。

 


八木上等兵が「あんぱん」という物語に与える意味

八木上等兵の存在は「あんぱん」の中で様々な意味をもつキャラクターのようです。

戦争の理不尽さの中の「人間らしさ」の象徴

八木は理不尽な暴力が当たり前の戦争という極限状態の中で、「人間らしさ」を保ち続けることの象徴のような存在です。

嵩は絶望的な状況に追い込まれ、人間が持つ優しさや尊厳を失わないことのメッセージとも言えるかもしれません。

軍隊という巨大な組織の中で、個人の自由や考えが押しつぶされる中でも、八木は自身なりに信念を貫き、嵩に道を示しました。

妻夫木聡さんが「八木は嵩のことを考えすぎだけど、人類の希望として残したい人間だった」と語るように、八木は自分らしく生きることの大切さを教えているのかもしれません。

 

「アンパンマン」誕生への伏線? 

ドラマでは戦場での出会いが未来へ繋がる?

ドラマの中で、八木は軍隊や戦場で生き残るための知恵を嵩に教えます。

それだけではありません。戦後にも二人は再会し、八木が嵩のその後の人生に大きな影響を与えることになるようです。

この八木の存在がやなせたかしの創作活動にどう結びついていくのでしょうか?

運命の出会い! やなせたかしとサンリオ創業者・辻信太郎

史実に目を向けると。戦後。やなせたかしが自作の陶器展を開いていた時に「山梨シルクセンター」を経営する辻信太郎と出会いました。ロマンチストで詩を愛する辻とやなせは意気投合。やなせが自費出版で詩集を作っていると話すと、辻の会社で出版することになったのです。

その後、辻の会社「山梨シルクセンター」は「サンリオ」に社名を変え、やなせたかしが編集長を務める雑誌「詩とメルヘン」も発行します。この雑誌で「熱血メルヘン 怪盗アンパンマン」の連載が始まることになるのです。

「カッコ悪いヒーロー」が国民的アニメに!

実はやなせたかしは、それ以前にも別の出版社から「アンパンマン」を出していました。でも、ほとんど売れませんでした。頭を食べさせるという、当時としては「カッコ悪いヒーロー」だったため、出版社からは別の話を書いてほしいと言われていたいたほどです。

それでも、やなせたかしはこの「アンパンマン」をとても気に入り、「もっと書きたい」という強い思いがありました。そこで、サンリオから出版され自分が編集長を勤める「詩とメルヘン」で連載することになったのです。

この「熱血メルヘン 怪盗アンパンマン」は大人向けの作品でしたが、後にミュージカル化されます。そして、そのミュージカル版から「ばいきんまん」が登場! 私たちがよく知るアンパンマンの世界が、ここから形作られていったのです。

もし「詩とメルヘン」での連載がなければ、今のアンパンマンの世界は全く違ったものになっていたかもしれません。やなせたかしと辻信太郎氏の出会いが、「アンパンマン」誕生の奇跡を繋いだのかもしれませんね。

もしかするとドラマの八木上等兵は、辻信太郎のような存在になるのでしょうか?

 

あとがき

いかがでしたでしょうか?

八木上等兵は「あんぱん」で柳井嵩の人生に深く影響を与え、視聴者にも強い印象を残す存在ですね。

彼のモデルについては、やなせたかしが兵役時代に知り合った様々なタイプの軍人と、サンリオ創業者・辻信太郎氏の要素が融合している可能性が高いことが分かりました。

はたして八木上等兵はサンリオのような会社を作るのでしょうか?

今後の八木上等兵の活躍からも、目が離せませんね!

 

朝ドラ「あんぱん」に登場するモデルは他にもいます。
興味のある方はあんぱん モデル一覧!を御覧ください。

 

 

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