柳瀬清・朝ドラ【あんぱん】柳井清のモデル やなせたかしの父の死因とは?

朝ドラ「あんぱん」はアンパンマンを生み出した漫画家・やなせたかしと、妻・小松暢をモデルにしたです。ドラマでは柳井嵩の父 柳井清を二宮和也さんが演じます。

柳井清のモデルになったのが、やなせたかしの父 柳瀬清です。

柳瀬清は早逝したものの、文学や芸術に深い造詣を持ち、息子に大きな影響を与えました。

この記事では朝ドラでの注目が集まる柳瀬清の生涯やその人物像、その死因。そしてやなせたかしに与えた影響について詳しく解説します。

ドラマ「あんぱん」をより深く楽しむため、やなせたかしの原点を知るために柳瀬清の生涯を紐解いていきましょう

 

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柳瀬清:やなせたかしの父の生涯

「あんぱん」柳井清のモデルは「アンパンマン」の作者・やなせたかし(柳瀬嵩)の父親である柳瀬清

柳瀬清の家族構成

父:柳瀬治太郎
母:柳瀬貞衛
兄:柳瀬寛
弟:柳瀬正周
姉妹:4人
妻:柳瀬登喜子
子供:柳瀬嵩、柳瀬千尋

 

柳瀬家は高知県香美郡在所村の出身。
家は江戸時代から続く庄屋でしたが、清が生まれた頃にはかつての豊かさは失われていました。

兄の寛も清も頭がよく、高知の名門 高知県立第一中学校(現在の県立高知追手前高校)に進学します。

 

中国への強い憧れ、東亜同文書院大学へ

高知での学びを経て柳瀬清は中国への強い憧れを抱くようになります。

そして上海に設立された東亜同文書院大学(現在の京都府立医科大学)への進学を決意します。

東亜同文書院大学(とうあどうもんしょいんだいがく)
上海にあった日本の学校。アジアで活躍する人材を育てるための学校。私立ですが国も出資していました。

この大学は当時としては先進的な教育機関でした。

上海での経験を通して彼は語学力だけでなく、国際的な視野も磨いたことでしょう。異国の地での生活は若い清にとって、刺激的で貴重な経験になったに違いありません。

卒業後は日本郵船の上海支店に勤務します。

講談社に転職。

その後、講談社に転職。東京で暮らしました。ここで雑誌「雄辯」の編集などをしました。

同じ高知出身の登喜子と結婚

この頃に同じ高知県香美村出身の登喜子と結婚しました。

清が出会ったのは、同じ高知県の香美村出身の女性、登喜子でした。二人がどのようにして知り合ったのか、詳しい経緯は明らかではありません。

書籍「やなせたかしの生涯」1)によると、

当時を知る人によれば、文化の面でも地元の中心的な存在だった谷内家には中国関係の本があり、清はそれを見るために出入りしていて登喜子にであったのではないか。

ということです。

登喜子は裕福な地主の娘。柳瀬清は中国に興味があり、外国の文化に触れた先進的な人間です。二人は共通する感性を持っていたのかもしれませんね。

 

嵩(やなせたかし)の誕生

結婚後まもなく、清と登喜子の間に第一子となる男の子が誕生します。

この子が後に国民的漫画家となる柳瀬嵩、すなわちやなせたかしです。初めての子どもの誕生は二人にとって大変な喜びで過程には幸せが満ち溢れていたことでしょう。

朝日新聞社に転職ジャーナリストになる

その後、清は朝日新聞社に転職し記者として新たなキャリアをスタートさせます。中国語に堪能だった清は、中国関連の報道を担当することになりました。

ジャーナリストとしての道を歩み始めた清を、登喜子は温かく支え続けたに違いありません。

 

次男・千尋の誕生

柳瀬清が朝日新聞社に勤務していた頃、清と登喜子の間には第二子となる千尋が生まれます。

二人の子どもたちに囲まれ、清と登喜子は充実した日々を送っていました。しかし、この幸せな時間は、長くは続かないことを、まだ誰も知る由もありませんでした。

 

広東特派員となって再び中国へ

その後、柳瀬清は中国語の能力と中国情勢への深い理解を買われ、広東特派員として再び中国へ派遣されることになりました。

妻の登喜子と二人の幼い子どもたちを残し単身での赴任です。

当時の中国は孫文の国民党が支配する一方で、日本に対抗するために共産党との連携を模索しているという複雑な状況でした。

清はそのような激動の中国の様子を、自身の目で見て中国語で直接取材し日本の読者に伝えるという重要な役割を担っていました。

彼は現地の情報を丹念に集め客観的な視点から記事を執筆し、日本へ送っていたことでしょう。

 

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柳瀬清の最後と死因

なれない異国の地での急病で倒れる

しかし異国の地での激務と慣れない生活が柳瀬清の体を蝕んでいきます。

広東に赴任してからわずか一年半後。清は急な病に倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまいました。まだ31歳という若さでした。

日本に残された妻の登喜子は30歳、長男の嵩は5歳、長女の千尋は3歳になろうとしていました。

突然の夫の訃報は幼い子どもたちを抱える登喜子にとって、計り知れない悲しみと苦しみであったことでしょう。

そして登喜子に『なぜ一緒について行かなかったのか』と深い後悔を残したということです2)

新聞紙上で柳瀬清の告別式が報道される

清の死と告別式の様子は新聞紙上にも掲載され、彼の死を悼む声が上がりました。

これは清が朝日新聞社内でも重要な地位を占めており、その才能を惜しまれていたことを示しています。

異国の地で志半ばにして倒れた柳瀬清の死は、残された家族に大きな悲しみとその後の人生に大きな影響を与えることになったのです。

 

やなせたかしへの影響

柳瀬清はスポーツが得意で学業も優秀。さらに文学や絵画に造詣が深い文化人でした。

その才能は息子たちに受け継がれています。スポーツや学業の優秀さは次男の千尋に。文学や芸術的な才能は長男の嵩(やなせたかし)に受け継がれました。

やなせたかしさんは、父親について「物静かで、本を読むのが好きな人だった」と語っています。そんな一面もやなせたかしさんに似ていると思います。

 

柳瀬清の死後、やなせたかしさんは母親とともに高知県に移り住みました。その後、母親の再婚を機に、父親の兄である伯父に引き取られて育てられました。

 

朝ドラ「あんぱん」の「柳井清」

ドラマ「あんぱん」では、柳井嵩(やない・たかし)の父親です。

家族構成
妻:柳井千代子(戸田菜穂)
甥:柳井嵩(北村匠海)
甥:柳井千尋(中沢元紀)
兄:柳井清

出版社勤務を経て、新聞社の海外特派員として活躍していましたが、海外赴任中に病気で亡くなってしまいます。

「文学や美術に造詣が深く、嵩の生き方に影響を与える3)」存在として描かれます。

 

柳井清の人物像

  • 文学と芸術への造詣:
    文学や絵画に深い知識と愛情を持ち、その才能は息子・嵩に大きな影響を与えます。
  • 新聞記者としての顔:
    出版社勤務を経て、新聞社の海外特派員として活躍。
    海外での経験が、彼の人生観や価値観を形成しています。
  • 家族を愛する父:
    息子・嵩を深く愛し、その成長を温かく見守ります。
    短い生涯の中で、息子に大きな影響を与えます。

文学や絵画に造詣が深く、息子・柳井嵩に大きな影響を与えた人物として描かれています。物語は清が亡くなったところから始まります。

回想シーンなどを通して、嵩の幼少期や成長過程における影響力が描かれるのでしょうね。登場場面は短いと思われますが、清の死が残された家族にどのような影響を与えたかが気になります。

 

柳井寛 役は 二宮和也 さん

朝ドラ「あんぱん」で、主人公・柳井嵩(北村匠海)の父、柳井清を演じるのは、人気グループ「嵐」のメンバーであり、俳優としても高い評価を受ける二宮和也さんです。

 

二宮和也
生年月日:1983年6月17日
出身地:東京都

 

俳優としての二宮和也

二宮さんは、アイドルとして活躍する一方で、俳優としても数々の作品で印象的な演技を見せてきました。

2003年。映画「青の炎」で映画初主演。
2006年にはクリント・イーストウッド監督のハリウッド映画「硫黄島からの手紙」に出演し注目を集めました。
2016年。映画「母と暮せば」で優秀主演男優賞にノミネート。

近年では映画「ラーゲリより愛を込めて」での演技も高く評価されました。

二宮さんの演技は繊細な感情表現と役柄への深い理解に基づいたリアリティが特徴です。どんな役でも自然体で演じ観客の心を惹きつけます。

 

朝ドラ「あんぱん」での二宮和也

今回の朝ドラ「あんぱん」では主人公・柳井嵩の父、柳井清を演じます。柳井清は嵩の人生に大きな影響を与える重要な人物です。二宮さんがこの役をどのように演じるのか期待が高まりますね。

二宮さんの持つ温かくもミステリアスな雰囲気が柳井清という人物に深みを与えることは間違いないでしょう。

朝ドラへの出演は今回が初めてです

 

まとめ

朝ドラ「あんぱん」の柳井清は主人公・柳井嵩の人生に大きな影響を与える重要な人物のようです。

そのモデルとなった柳瀬清の生涯も興味深いものでした。二宮和也さんがこの複雑な人物をどのように演じるのか期待が高まります。

ドラマ開始時点ではすでに亡くなっている設定なので回想シーンなどで彼の人物像が丁寧に描かれることでしょう。

短い登場場面ながらも、その存在感が物語全体にどのような影響を与えるのか、注目していきたいと思います。

 

参考書籍: 
1) 梯久美子『やなせたかしの生涯』文藝春秋、2025年。

2) 筑摩書房編集部『やなせたかし・アンパンマン誕生までの物語』筑摩書房、2015年。

3)『NHKドラマ・ガイド あんぱん Part1』NHK出版、2025年。

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