朝ドラ『風、薫る』の一ノ瀬安はヒロイン・りんの妹。公式な発表はないものの、一ノ瀬安のモデルは大関和の妹・大関釛と思われます。
この記事では、一ノ瀬安がどんなキャラクターなのか紹介し、モデルと考えられる大関釛との共通点や違いをわかりやすくまとめました。
この記事で分かること
- 一ノ瀬安に公式モデルが存在するのかどうか
- 大関釛がモデルと考えられる理由と根拠
- ドラマ設定と史実の具体的な違い
- 姉妹それぞれの役割と生き方
一ノ瀬安のモデルは誰?
朝ドラ『風、薫る』の 一ノ瀬安は主人公りんの妹です。
ヒロインの一ノ瀬りんのモデルが実在した看護師 大関和ですから、一ノ瀬安にもモデルがいるのか気になりますよね?
公式にはモデルは発表されていませんが、現時点では大関和の妹・大関釛がモデルと考えられます。
その理由はもちろん大関和の妹が大関釛だから。ですがそれ以外にも共通点があるのです。
まずはドラマの安がどんな人物なのかみていきましょう。
ドラマでわかる一ノ瀬安の設定
現在分かっている情報をまとめると一ノ瀬安このような人物です。
家族構成
- 父:一ノ瀬信右衛門
- 母:一ノ瀬美津
- 姉:一ノ瀬りん
- 安はりんの2才下の妹
性格と特徴
- 明るく賢い子。
- 家族や周囲のことをよく見ている。
- 女の幸せは婚家次第と考えている。
- 良家に嫁ぎたいと考えている。
ドラマ開始時点での境遇
父は小さな藩の家老でしたが理由があって明治維新前に辞職。安が物心ついたときにはすでに農家でした。農業をして暮らしていますが、とくに暮らしぶりは貧しくはありません。
武家の心構えを失わない母によって、武家の子らしく育てられています。安も母から薙刀の稽古を教わりながら、農業の手伝いをしていました。
でも早くいい人と結婚して家族の助けになりたいと思っています。
次に安のモデルと考えられる大関和釛を紹介します。
大関釛とはどんな人物?
一ノ瀬安のモデル候補として有力なのが大関和の妹・大関釛(おおぜきこく)です。
家族構成
- 父:大関団右衛門
- 母:大関団哲
- 姉:長姉・不明、長兄・復彦、次姉・和、次兄・衛
- 釛は5人きょうだいの末っ子
黒羽藩の元家老の娘
大関家は下野国(栃木県)黒羽藩の家老の家柄。父・大関団右衛門は国家老でした。藩主の大関家とは縁戚になります。
といっても黒羽藩は1万8千石の小さな藩なので、家老と言っても家禄は200石とそれほど大きくありません。
どれほど小さかいかと言うと。
「ばけばけ」のモデルになった小泉セツの実家・小泉家が300石の上級武士。養女となった先の稲垣家が100石(上級武士の下)。家老の塩見家(セツの母の実家)が1000石。小泉家が仕えた松江藩は18万6千石なのです。
小さな藩ですが藩主・大関増裕のもと近代化には熱心で、父・大関団右衛門は硫黄鉱山の開発を任されていました。
でも戊辰戦争が始まり天皇と将軍の板挟みになった藩主は謎の急死。その後、父は分け合って家老職を辞職。藩の家知事や明治になってからは白川県の職員などを務め細々と暮らしていました。
ドラマでは家老を辞めた後、農家になっていますが、実際には農家にはなっていません。
父・大関団右衛門は教育熱心で、これからの時代は女性にも算術が必要だと考えていました。そのため、息子だけでなく、娘である和と釛にも書道と算術を学ばせています。
さらに家庭内では、華道や茶道、裁縫、機織り、料理といった武家の娘に必要な教養も身につけて育ちました。釛は姉の和と同じ教育を受けているのです。
明治9年(1876年)に姉・和が結婚。父・団右衛門は病で亡くなりました。
その後は母が裁縫を教えて生計を支え、釛は弟の衛とともに母のもとで暮らします。
姉たちとともに東京で暮らす
ところが和の結婚生活はうまくいきませんでした。姉が離婚して戻ってくると、母や兄弟とともに一家で上京しています。
和は自立しようと東京で仕事を探し求めて動いましたが、釛についてはその間の情報は伝わっていません。和が外に出て家計を支え、母の哲が家で和の子どもたちを育てていましたから、釛も子育てを手伝っていたのかも知れません。
東京でのエピソード
資料の少ない釛ですが東京での生活がわかる具体的なエピソードも残っています。
上京後、姉の和は鹿鳴館の存在を知り、完成を心待ちにしていました。和は家族に鹿鳴館を見せたくて哲や釛で完成した鹿鳴館につれていきました。釛は母とともに鹿鳴館を見学して美しい、西洋風の建築を見て楽しんだとされています。
また和の子である六郎が上野動物園を見たいと言った際には「姉上、私も行きとうございます」と姉に頼み、家族で動物園を訪れています。
両親からは武家風の教育を受けていますが、新しい文化や施設には関心を持つ若い世代の姿が読み取れるようです。
結婚とその後の釛の生涯
その後、姉や母と暮らしていた釛ですが、明治17年(1884年)に川原健次郎と結婚。諭と博巳の二人の息子をもうけたとされます。
姉の和が看護の仕事へ進んだのに対し、釛は結婚して家庭を持つ人生を歩みました。
明治40年(1909年)には亡くなった兄・復彦の遺児・増博を引き取って育てました。
さらに夫の死後。おそらく大正元年(1912年)ごろに再び上京。晩年の姉の身のまわりを支えたと伝えられています。自分の家庭だけでなく、一族を支える役目も担った人物でした。
ドラマの一ノ瀬安と、そのモデルとされる大関釛(こく)。資料を読み解くと、「武家の娘としての誇り」という根っこは同じですが、置かれた環境や家族構成にはドラマらしい脚色が加えられていることがわかります。
共通点と相違点をわかりやすくまとめました。
一ノ瀬安 vs 大関釛 比較まとめ
| 項目 | ドラマ:一ノ瀬安 | 史実:大関釛 |
| 家族の立ち位置 | 2人姉妹の妹 | 5人きょうだいの末っ子 |
| 実家の境遇 | 元家老の農家 | 元家老の士族(官吏など) |
| 教育・素養 | 薙刀、農業の手伝い | 算術、書道、茶華道、機織り |
| 人生の選択 | 良家への嫁入りを志望 | 実際に結婚し、家庭を築く |
| 姉との関係 | 姉を冷静に見守る | 離婚した姉を支え、晩年も共にする |
安と釛の共通点
元家老の娘
父が小さな藩の家老職を辞したという背景は共通しています。没落してもなお、母から武家の心構えを厳しく教え込まれたのは共通しています。
伝統と新しさのバランス
安は「女の幸せは婚家次第」という古風な価値観を持ちますが、新しいものへの関心も持ち合わせています。
これは武家教育を受けて母を「母上」、姉を「姉上」と言いつつも鹿鳴館や動物園を楽しんだ釛の柔軟な若者らしさと似ています。
家と姉を支える人生
ドラマの安が家族を助けたいと願う姿は、実際に結婚して家庭を守り、さらには兄の子を引き取ったり、晩年の姉を支えたりした釛の献身的な生涯と重なります。
安と釛の違う所
史実では農家にはなっていない
ドラマでは安が農家の姿をして畑作業を手伝うシーンが印象的です。
でも史実では父は県の職員などを務め農家にはなっていません。そのため釛も畑仕事を手伝うことはなかったでしょう。
きょうだい構成の簡略化
史実では5人きょうだいの末っ子ですが、ドラマでは「りん」と「安」の2人姉妹と兄弟が少なくなっています。
これは人物を少なくしてドラマを描きやすくするため。自立に突き進む姉と家族を守ろうとする妹という違いをよりわかりやすくするためと思われます。
「薙刀」か「算術」か
ドラマでは安が母から薙刀(なぎなた)を習う「武家らしい強さ」が強調されています。
でも史実の釛は父から「これからは女性も算術(数学)が必要だ」と武家の娘としてはかなり先進的な教育を受けていました。
予想:姉と妹は役割分担
細かい設定に違いはありますが、ドラマの安と史実の釛は立場的にも考え方にも似てる部分が多いことが分かります。
父の先進性を受け継いだ姉
史実の父・団右衛門は進んだ西洋の知識を取り入れ社会に適応。娘にも学問や算術を教える当時としては進んだ人でした。
史実の和もその教えを受け継ぎ、自分で技術を身につけ自立する道を選びます。
母の古風さを受け継いだ妹
史実の母・哲は江戸時代の価値観を持ち続ける武家の女性でした。
姉妹の中で母に近い生き方をしたのは妹の釛です。釛は母のように家を守り子を育てる母として生きました。
ドラマの安も女の幸せは結婚相手次第、早く結婚して家族を楽にしたいと思うところがあります。
釛が最初から安のような考え方を持っていたのかはわかりませんが。釛の生き方を若いころから表現しているのがドラマの安といえます。
二人が揃って完璧な一人前
この姉妹の面白いところは、考え方も生き方も違う姉妹ですが、どちらかが欠けても大関家(一ノ瀬家)はうまく行かなかったと思わせるところです。姉が外の世界で働き家族の生活を支えて妹が内で家族を守るという役割があるからです。
父と母の性質は姉と妹に分かれたようですが、結果として一家は明治という激動の時代を外からも内からも支え合って生き抜くことができたのではないでしょうか。
まとめ
一ノ瀬安のモデルは公式には発表されていません。
でも
- りんのモデルが大関和であること
- 大関和には釛という妹がいたこと。
- 釛が和と同じ教育を受けた武家の娘であること
という理由から大関和の妹・大関釛が安のモデルと考えられます。
ドラマの一ノ瀬安と史実の釛は姉とは立場や生き方の違う妹してのポジションは共通しているように思えます。
ドラマでもこの役割分担が姉妹の絆や時には対立としてドラマを動かす大きな要素になるのではないかと思います。
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