朝ドラ『あんぱん』では戸田菜穂さん演じる柳井千代子が登場。
柳井千代子は柳井嵩の伯母で厳しさと優しさを併せ持ちます。やがてアンパンマンの生みの親となる柳井嵩に大きな影響を与えます。
この記事では、千代子の人物像、32年ぶりに朝ドラ出演を果たす戸田菜穂さんの意気込み、そしてモデルとなった柳瀬キミさんの生涯と、養子となった千尋への深い愛情に迫ります。
子供を持たない千代子の葛藤や、夫・寛との絆、実母・登美子との関係性にも注目しながら、ドラマをより深く楽しむための情報をお届けします。
ドラマ「あんぱん」の柳井千代子
🏃♀️#あんぱんのなかま🖌
柳井千代子 🖊 #戸田菜穂
厳しさと優しさを持ち合わせた女性。
夫の寛とともに、おいっ子の嵩と千尋を預かることになる。子どもを立派に育てたい、そんな思いがある千代子さんです💁♀️#朝ドラあんぱん
📅3月31日(月)スタート🏃 pic.twitter.com/M12rLXMkya— 朝ドラ「あんぱん」公式 (@asadora_nhk) March 15, 2025
家族構成
ドラマ「あんぱん」での柳井千代子の家族と関係者は以下の通り。
甥:柳井千尋(中沢元紀):養子
甥:柳井嵩(北村匠海)
女中:宇戸しん(瞳水ひまり)
義兄:柳井清(二宮和也)
義姉:柳井登美子(松嶋菜々子)
千尋と嵩を愛情深く育てる母
ドラマ「あんぱん」で戸田菜穂さん演じる柳井千代子は、夫の柳井寛(竹野内豊)と共に甥の千尋(中沢元紀)を養子に迎え、後に嵩(北村匠海)を預かり実の子のように愛情深く育てます。
夫婦の絆
千代子は夫の柳井寛(竹野内豊)との間に子供がいないことに心の奥底で負い目を感じています。そんな中、寛が優しく声を掛け千代子の心の重荷を下ろす感動的なシーンが描かれるとのこと2)。
きっと千代子と寛の間には深い信頼と愛情があるのでしょうね。
千代子は登美子には厳しい?
千代子は嵩と千尋の母である柳井登美子(松嶋菜々子)とは、今ひとつそりが合わないようです。
気まぐれな登美子に対しては手厳しい一面もありますが、いざという時には母親同士として協力する柔軟さも持ち合わせています。
子供たちへの愛情を根底に持ちながらも、それぞれの立場や感情が交錯する人間関係もドラマの深みを増す要素となりそうです。
柳井千代子を演じる戸田菜穂:役柄への意気込み
柳井千代子を演じるのは女優の戸田菜穂さん(1974年生まれ)です。
戸田さんは1991年の朝ドラ「ええにょうぼ」で主演を務めて以来、今回が3度目の朝ドラ出演となります。
2019年放送の「なつぞら」ではなつの母を演じましたが。すでに死亡している設定で回想シーンの中でしか出番はありませんでした。今回が本格的な母親役といえます。
32年前に朝ドラの主演を経験し、いつか母親役として朝ドラに帰ってきたいと夢見ていた2)とコメント。戸田さんにとって今回の出演は待ち望んだ役のようです。
「厳しさと優しさを持ち合わせた女性」1)という千代子の複雑な内面を、長年のキャリアで培われた演技力でどのように表現するのか期待が高まります。
特に子供がいないことへの負い目や、夫・寛との間で育まれる深い愛情。そして実母・登美子との微妙な関係性も注目したいですね。
やなせたかしの絵本に「やさしいライオン」という作品があります。愛情深い犬が親を失ったライオンを母親代わりに育てる物語です。
戸田さんは「やさしいライオン」の内容が『今回描かれる柳井家にどこか重なるような気もしていて……』2)と語っています。
自身の演じる千代子が実の子ではない甥を愛情深く育てる姿と重ね合わせ、役柄への深い共感を覚えているようです。
柳瀬キミ:やなせたかしを育てた伯母
京都出身・医大生の寛と知り合って結婚
柳井千代子のモデルとされる柳瀬キミは京都出身。
柳瀬寛が京都府立医学専門学校(現在の京都府立医科大学)に通っていた頃に知り合って結婚しました3)。美人でいつもおっとりしてやさしかったそうです。
キミは京都弁を話し、内股で着物を着こなし時にはエプロンをかけていたそうです4)。
夫の兄の子・千尋を養子に迎える
寛との間に実子はいませんでしたが、柳瀬千尋を2歳で養子に迎え実の息子のように溺愛しました。
嵩にたいしても叱ったりすることはありませんでした。
やなせたかしが小学2年せいで伯父夫婦に引き取られたとき。書生部屋で寝ていましたが。
2歳年下の千尋は寛・キミ夫婦と一緒の寝室で川の字に寝ていました。寛・キミ夫婦の千尋への愛情の深さが伺えます。
柳瀬キミが柳井嵩(やなせたかし)に与えた影響:アンパンマンの原点
やなせたかしさんが学生時代を何不自由なく過ごせたのは、伯父夫婦の支えがあったからです。
嵩の目から見てもキミは弟の千尋を甘やかして可愛がっていたといいます。かといって嵩を差別することなく可愛がっていました。
一方で子どもたちには駄菓子屋でお菓子を買わせないなど、しつけに厳しい部分もあったようです。
キミの深い愛情は、ただ甘やかすだけでなく子供のことを思ってのことだったのでしょうね。
柳瀬千尋の戦死と柳瀬キミの悲しみ
キミが深く愛した千尋は海軍中尉としてバシー海峡で戦死しました。
キミのもとには千尋の遺骨は届かず、白木の箱に入った名前を書いた木札と階級章だけが届きました。
我が子のように育てた千尋の死は、柳瀬キミの悲しみは大変なショックだったに違いありません。
戦争が終わりやなせたかしさんが家に戻ったとき。キミは嵩を出迎えましたが「お母さん帰りました」と嵩が言うと。キミは嵩の手を取って泣き崩れました。
キミは嵩の生死がわからないままずっと待っていたのです。
そして「ちいちゃんは…死んだぞね」と涙ながらに嵩に告げたのでした3)。
また千尋の同窓生が柳瀬家を訪れたときにキミが泣き崩れ言葉を失ったとも言われます4)。
千尋を失ったキミの悲しみの深さが伝わってきます。
ドラマの柳井千代子:葛藤と愛情、そして夫婦と甥姪への絆
ドラマ「あんぱん」では戸田菜穂さんが演じる柳井千代子が、子供がいないことへの葛藤を抱えながらも夫・柳井寛との深い絆を育み、甥の嵩と千尋を実の子のように愛情深く育てる姿が描かれるです。
モデルとなった柳瀬キミさんの人物像や、弟・千尋への深い愛情といった要素が、ドラマの千代子にどのように再現されているのか注目したいですね。
まとめ:ドラマ「あんぱん」をより深く楽しむために
2025年春からの朝ドラ「あんぱん」をより深く楽しむために、柳井嵩の伯母である柳井千代子と、そのモデルとなった柳瀬キミについてご紹介しました。
ドラマでは戸田菜穂さんがどのように千代子を演じ、嵩の人生にどのような影響を与えていくのか注目したいですね。
そして、その背景には、やなせたかしさんを育てその後の人生に大きな影響を与えた伯母・柳瀬キミさんの存在があったことを心に留めておくと、ドラマをより一層深く味わえるはずです。
出典
1) 2025年度前期 連続テレビ小説『あんぱん』出演者発表第5弾<柳井家の人々> – あんぱん – NHK
2) 『NHKドラマ・ガイド あんぱん Part1』、NHK出版、2025年、p.48,101。
3) 梯久美子『やなせたかしの生涯』、文藝春秋、2025年、p.38
4) 門田 隆将『慟哭の海峡』、KADOKAWA、2017年.

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